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まだエアリスと話していたかったが、クラウドには確かめなければならないことがある。
ニブル山にある魔鉱炉の奥にいるジェノバ。

確かめて今のクラウドに何ができるというわけではないが…。

エアリスにそういうと、エアリスは悪戯っぽく笑って
『星が力を貸してくれる』
と、クラウドに告げた。
どういうことかと試しにケアルを掛けてみる。
するとマテリアもないのにクラウドの体はあの魔法をかけたとき独特の光に包まれ、ここにくるまでに付いた傷がすべて癒されてしまった。

「すごい・・・」

『クラウドにも星の声が聞こえるようになったから』

「でもそれはセトラの民だけじゃ・・・」

『ちがうよ、セトラの民だから星の声が聞こえるんじゃなくて、星の声が聞こえる人が、セトラの民』

つまりは進化の過程で人が失ったもうひとつの感覚。

「ありがとう、エアリス・・・今度こそ俺は、セフィロスを・・・ザックスをエアリスを守り抜いてみせる!」

『うん。私も、応援してる。頑張って、クラウド』

にっこりと笑うエアリスにクラウドも笑みを返し、洞窟を後にした。
ライフストリームの帯が名残惜しそうにクラウドにまとわりつき、その姿を見送る。

++++++++++++++++++++


そこからの道程はそれほど厳しいものでもなかった。
先ほどケアルをかけたことも幸いしたのだろう。
そんなわけで扉を開くことも容易だった。
まぁ・・・つまりはサンダーで壊れない程度にロックシステムをショートさせたわけだ。

重い扉を何とかこじ開け、記憶にある道をたどる。
今も稼動はし続けているが、実験機のような扱いのこの魔鉱炉には調査もほとんど入っていないらしく埃だらけだった。
目視した限りでは侵入者を感知するシステムもない。
あったところで先ほどのショートで麻痺してしまっているだろうが。

クラウドはナップザックから取り出したペンライトで辺りを照らしながら奥へ奥へと進む。
魔鉱炉を動かす動力はおそらく別回路なのだろう、
モンスター、いや元は人間だったモノたちを封じ込めるカプセルだけが不気味に光を放っていた。
本当ならここで彼ら全員をカプセルから出し、人間であるうちに殺すか・・・
あるいはもっとほかの方法で彼らを救うべきなのだろう。
だがそんなことをしてもいずれ来るだろう調査隊に不信感を与えるだけだ。
今度もまた、クラウドが調査隊に加えてもらえるという保証はない。

「ごめん・・・」

カプセルの中で揺らめく魔鉱・・・ライフストリームが『ごめん』と応えてくれた気がした。
クラウドはおくにある扉を見据えて階段を上る。
以前正宗でさえ斬り開くことのできなかった扉だ、今のクラウドには開けられそうにもなかった。
強い魔法を使えば開ける事ができるかもしれないがそれではこの施設ごとふっとばしかねない。

(『星が力を貸してくれる』)

ふと、エアリスの言葉を思い出した。
一か八か、やってみる価値はある。

クラウドは扉に額を押し付け、祈るような気持ちで星に呼びかけた。

ジェノバを、封じたい、容易に手が出せないように。
強く強く祈り続ける。

そして

祈りは届いた。


扉の隙間から冷気が漏れ出し、扉には霜が立つ。
心なしかその空間も冷え始めてきた。
クラウドは扉から1歩2歩はなれる。
それと同時に扉を氷が包み込んだ。

「これなら、ファイガでも簡単には溶かせない。」

クラウドは小さくありがとう、と呟いて扉を見つめた。

さっきから胸がざわめくのはおそらく


「ジェノバ細胞・・・」


あの時代でクラウドの体を侵していたジェノバ細胞は今も健在らしい。
リユニオンを望んでいるのだろう。
クラウドのこの体はライフストリームに一度溶けて、ライフストリームから再び生まれたのか。


クラウドは震える腕を押さえつけ扉を強くにらんだ。


「俺は・・・お前なんかに負けない」


......data Save
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クラウドは耳を、目を疑った。

なぜなら、マテリアの泉でクラウドを迎えたのは、懐かしい亜麻色の髪の

「エアリ・・・ス・・・?」

そう、クラウドの目の前で胸を貫かれたエアリスだった。

『久しぶり、クラウド。』

「エアリス・・・本当に」

『ええ。本当は私のほうからクラウドを迎えにいこうと思ったんだけど、クラウド 自分から来てくれた。』

エアリスはクラウドの記憶の中にある、そのままの笑みを向けてくれた。

「エアリス・・・どうなっているんだ?俺は、セフィロスを倒したはずじゃ・・・星は救われたんじゃないのか?」

『うん、星は助かった・・・でも、大事なものを・・・助けられなかった』


「大事なもの?」

不思議そうに問いかけたクラウドに半透明の、幽霊のような姿をしたエアリスが手を伸ばし、頬をなでた。

『クラウドの、心・・・助けてあげられなかった。』

「エアリス、そんなもの・・・」

『とっても、とっても大事なもの。クラウド、苦しかったんでしょ?だから、私たち、がんばったの。』

「私たち?」

『うん、星に溶け込んだ・・・星の記憶の私たち。クラウド、ライフストリームに落ちたとき、思ったでしょう?もう一度』



「・・・戻れたなら」

呆然としたようにクラウドはつぶやく。
確かに願った・・・。もう一度、戻れたなら、と。

もう一度戻れたなら、今度こそ、守り通したいと。

『だから、星から、クラウドにご褒美』

「ごほうび・・・」

『星もがんばるから、クラウドもまた、頑張ろうって』

「でも、じゃあ、また星は・・・っ」

『大丈夫、今度は私も、星を守るから。ジェノバの好きにさせない。だからクラウド、幸せになって。ね?』

「で、でも・・・エアリスは・・・?」

『私は大丈夫。私は消えちゃうけど・・・”私”は消えないから。』

「エアリス・・・」



『っもう!さっきからクラウド、私の名前しか読んでない』

「だって、会えるなんて・・・やり直せるなんて・・・」

『でも、次はないよ?これで最後。だからクラウド、頑張らなきゃ。幸せになるために』

にっこりと、エアリスはクラウドの好きだったあの笑顔を浮かべる。
見ているだけで、人を幸せにできるようなあの笑顔を。

『がんばれ、クラウド』



「ああ!頑張る、今度こそ。」

クラウドはこぼれる涙を抑えられず、こぶしでぬぐった。


++++++++++

「ところで、エアリス」

『なぁに?』

「何で俺、女になってるんだ?」

『えーっと、せっかくだからよりいっそう幸せになれるようにって思ったの。』

「よりいっそうって」

『だって、クラウド、セフィロスがすきなんでしょ?だったらやっぱり夢は結婚かなぁって』

「けっっけけkっ!」

ボッとクラウドの顔が真っ赤になる。
それを見てエアリスは、またくすくすと笑った。


..........data Save


ナイフが重いということにクラウドは驚いていた。
だがこの細腕では仕方がないだろうと舌打ちをひとつ鳴らしながらクラウドは襲いくるモンスターをそのナイフ一本で片付けていった。

ナイフは重く疲労度も激しいが、体は思う以上にスムーズに動いていた。
これが実践経験のを経た差というものだろうか。
肉体的な経験はほとんどないが、戦闘の知識が多いか少ないかでは大きな違いがある。

それに、あの旅のころに比べてモンスターたちも落ち着いていた。
なんというべきか・・・むやみやたらと襲い掛かってくるものはそういない。
ニブルウルフも遠巻きにクラウドを眺め縄張りに入ってこないかどうか監視しているだけだ。

「ジェノバ、か・・・」

関係ないわけではないだろう。
殺気に当てられて凶暴になるというケースがないわけではない。
かれこれ2時間ほど歩いているが、ようやく中腹を越えたあたりだろうか。
頂上付近に目を向ければ、すべての始まりとなったあの魔鉱炉のシルエットが見える。


「確かめないと」


クラウドはさらに足を進めようと一歩を踏み出そうとした。
だがそれを引き止めるかのように緑白色の光の帯がクラウドにまとわりついた。

「ライフストリーム?」

まるでクラウドを呼ぶかのように光の帯が洞窟のほうへと流れていく。
クラウドはそれを無視することができずに帯びに導かれるまま歩き出した。




「これは・・・」

そこは洞窟全体がマテリアでできているといっても過言ではない空間だった。
不思議な光を放つ鉱石の間を縫うようにライフストリームの流れは奥へとクラウドを導いていく。

歩き続けたクラウドを迎えたのは地底湖のような空間だった。

「ライフストリームの・・・泉?」



『おかえりなさい、クラウド』

響いたのは懐かしい・・・鈴を転がすような女性の声だった。



......data Save



と、そんなことはどうでもいい。
それよりも、どうして今自分がここにいるのか。

消えたはずのニブルヘイム村の、自分の家の、自分の部屋にいるのか

それを確かめなくてはいけない。
クラウドはベッドから降りると着替えを手に取ろうとたんすに近寄ろうとして、クラウドは自分の体から伸びる四肢の細さに目を見開いた。

クラウドは筋肉もつきにくく、パワータイプの兵士ではないがそんじょそこらの男を伸せるぐらいには鍛えてあったはずだ。
それが今はか細い枝のように細い手足。
昏睡状態・・・眠っていたから筋肉が落ちたというレベルではない。
明らかに鍛えられていない体だ。

クラウドはあわてて鏡を覗き込んだ。


「そんな・・・っ」

肩より少し長い髪
まだ幼い顔つき
細い首
成長しきっていない幼い体躯

クラウドは5年ほど魔鉱漬けというモルモット扱いを受けていた為に成長がストップしていたがそれでもここまでではなかった。

「どうなっている・・・」

髭が生える予兆さえない頬をなでてみた。
もっとよく確かめてみようと寝巻きのTシャツを脱ぎ捨てて・・・捨てて・・・


「なっ・・・」


思わず大絶叫を上げそうにあってクラウドはあわてて自分の口を押さえた。
窓の外に見えた風景は明らかに早朝といったところで薄もやがかかっていた。
おそらくまだ誰も起き出してはいないだろう。

それ故に助かったという気がしなくもない。
クラウドは信じられないという面持ちで鏡に近づきよくよく自分の体を確かめた。

華奢な体躯に細い腰、緩くふくらみを持つ胸がクラウドの性別を象徴していた・・・。
そっと下半身に手を当ててクラウドは叫び声を再び飲み込む。

クラウドは生まれてこの方女装という屈辱を覚えたことはあるが、男という性別を捨てた覚えはない。
だがこれはどう見ても・・・

「何で・・・女に・・・」

女の体だった。





クラウドはとりあえず動きやすそうな服と靴を選び、こうなれば家主になんと言われてもかまわないとばかりに部屋を漁ってみた。
いやな予感がますます募っていく・・・。

部屋の中にあるものは、見覚えのない女性物も確かにあるが、基本的にクラウドの記憶にあるクラウドの部屋と相違はなかった。

クラウドが母に内緒で隠していた大振りのナイフの位置まで。
クラウドは部屋の中にあるものでなるべく装備を整えるとそれらをナップザックにつめて・・・ふと思いついたように一冊のノートを手にした。

味気のない普通のノート・・・
クラウドは後ろのほうから順繰りにページをめくっていく。
使い始めたばかりなのか、そのノートの最初のほうのページに最後の記述があった。

『8月10日
今日はニブル山の中腹まで行けた。もっと強くなりたい。明日は誕生日、13になる。母さんも早く帰ってきてくれるといった。神羅士官学校の試験まであと少し』

自分らしい適当・・・というにはおかしいけれど短い言葉でまとめられた日記。

「今日で・・13歳・・・?」

神羅が家の中まで再現していなかったとすれば、いよいよクラウドのいやな予感が的中しているということになる。

とにかくクラウドはニブル山に登ってみよう、とノートを閉じて、朝もやに包まれたニブル村へと飛び出していった。

......date Save

初めに

ネタを思いついたのは2年くらい前、書き始めたのは去年?
そして軽くそのまま放置していたものです。

現在書いているものとはちょっと設定やなんかが違ったりしますので、まぁこんな話もあるか程度でお読みください。
あ、あと女体化設定です。
なぜって…

私が楽しいから!

クラウドのステータスは
Lv.99
HP/MP:9999/99
って具合です。
以上の事を納得していただけた方はどうぞお楽しみください。

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