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1年後、クラウドはミッドガルのゲート前にいた。
持ち物はナップザックのみ。
着の身着のままといったようなぼろぼろの格好で、ミッドガルの象徴でもある神羅ビルをにらみつけていた。
正直、とても女の子のするような格好ではない。

あれこそがすべての災厄の始まりだ。

クラウドはこの1年。
どうにかあの惨劇を繰り返さない方法を考え続けていたが、何一つ思いつくことができなかった。
結局どこかでイレギュラーが生じてしまえばそれに対応する方法がないからだ。
ならば自分が強くなるしかない。

そう思ってクラウドは母親を説き伏せて神羅士官学校の入隊試験を受け、半年前にニブルヘイムを後にした。
(以前よりも説得することが難しかったのは、自分の性別が大きく関係しているせいだろう。)
そして、クラウドは海を渡るとき、そして湿地帯を越えるときを除いて、ここまで徒歩の旅を続けてきた。

もちろんモンスターを倒しながら。
おかげで路銀もたんまりたまり、懐はだいぶ暖かい。

クラウドは秋季入学の士官生であるから入隊式までは後1ヶ月ほどの時間がある。

「どこかでアルバイトでも探すか。」

もう一度カーム当たりまで戻っても悪くはないが、少しでも情報がほしい。
それにこのどろどろの服や、髪の毛だって少しは整えたい。
プレートの下には確か安い宿屋があったはず、とクラウドは見当をつけると迷わず足を動かし始めた。

懐かしい、7番街スラムへ


++++++++++


「まぁ、当然なんだけどな。」

元、いやこれからセブンスヘブンとなるのだろう店の前に立ちクラウドは肩をすくめた。
そこはただの空き地、まぁ当然のことなのだが。

「でもそれ以外はあんまり変わらないんだな。」

誰に話しかけるわけでもなく、クラウドは辺りを見回しながらつぶやく。
七番街へ足を向けたのは決意を固めるためだ。
なんとしても運命を変えて見せると。
この場所をプレートの下敷きなどにしてたまるものか、と。

クラウド自身にここに住む彼らへの愛着はない。
だが、あんなつらい光景を何度も繰り返してはならないと、そう思うのだ。
クラウドは少し奥まで足を進めてみた。


もとは別のプレハブ小屋が立っていたらしい跡があるのがわかる。
これから誰かがここに居酒屋を立てるのだろうそしていつかそこにティファのいるアバランチがそこの主となる。
いや、バレットのアバランチは元あったアバランチの残党といってもいいかもしれない。



クラウドは踵を返し歩き出す。
今を生きるこの場所を、この場所に生きる人たちの姿を胸に刻み付けて。
悲劇を繰り返しはしないと心に誓って。


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