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これはどういうことだろうか・・・。
クラウドは首をかしげて窓の外に広がるのどかな田舎町の光景を目にしていた。

「どう、なっている・・・?」

クラウドは目覚める前の記憶を必死で探ってみた。

「俺は・・・確かにライフストリームに」

そう、クラウドはライフストリームの中で待ち受けていたセフィロスと決着をつけたはずだった。
あのセフィロスが本物だったのか、それともコピーだったのかは考えない。
だが、倒したセフィロスを前に、クラウドは無性にむなしさを覚えていた。

どこかからティファの叫び声が聞こえていたのも覚えている。
必死にクラウドの名を呼んでいた。
そのうち、仲間たちが崩落に巻き込まれる前にティファを大空洞から連れ出して行ったのだろう、もう声は聞こえなくなった。
いや、もしかすると先に自分の意識がなくなったのかもしれない。
もう生きることに疲れていた。

セフィロスを失い

故郷を失い

ザックスを失い

エアリスを失い

そして


「俺が・・・殺したんだ」

あれが夢ではなかったという証のように、手にはまだセフィロスの胸を貫いた感触が残っている。
偽者であろうと本物であろうと・・・セフィロスを殺したのは自分だ。

クラウドは眉をひそめこぶしを強く握った。


が、それよりも・・・だ

確かに崩落にセフィロスと(そのとき彼はもうただの肉塊でしかなかったが)共に巻き込まれ、あの淡い緑白色の海に投げ出されたはずだった。
とっさにセフィロスの体を抱え込んだのを確かに覚えている。

「女々しいな」

まだ温度を持っていたセフィロスの体が懐かしかった。
まだクラウドが神羅の兵士だったころ、クラウドは何度もあの腕に抱かれた。
髪をすく指の動きも、名前を呼ぶ唇の動きも覚えている。

だからこそ、あの戦いの後、クラウドはもう生きる気がしなかったのだ。
大切なものはすべて指から零れ落ちてしまったから。

ティファたちが大切ではないなどといわない
だが・・・

セフィロスは・・・クラウドの特別だったのだ・・・。


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